カンボジアの現在 〜搾取される少女〜

  • 2008.02.29 Friday
  • 17:59
内戦が終われば、

すぐに誰もが人間として尊重され、

かつ、文化的な生活が送れるものではありません。

戦争は破壊です。

破壊から、創造し続け、国中に安住たる地に復旧せしめる。

それには年月が必要でしょう。

その間、その国の弱者たちは、どのような生活を強いられるのでしょう。

私はある少女と出会いました。

12歳の彼女は、栄養不足のためか、日本人の8歳ほどに見えました。

彼女は私が乗った

首都プノンペンから、アンコールワットの地、シエムリープまでの船で

裸足で、外国人相手に、飲み物を5時間売り続けていました。

日本も戦後そうだったのよ・・・

今年74歳を迎える母は、私のカンボジアの体験を聞き、自分の幼少時代を話します。

しらみ駆除のため殺虫剤を撒かれたこと・・・・

誰もが飢えたい時代、ペットのうさぎが消えた話し・・・

弟・妹たちを学校に行かせるため、自らは働いた・・・

私は今、カンボジアで出会ったこの少女についてブログにも記そうとしています。

この話しを同じ日本人の皆さんが読んでいただけることで、

この少女と同じような時代を送った日本の諸先輩たちが、

ここまでの日本を作り、

さらに、今の私たちに命という「宝」をパスしてくれたこと。

この話しを書くことで、

亡き父(生きていれば80歳)や初代や専務(73歳)、そして戦前生まれ全ての人々への

オマージュになればと思ったからです。

そして、復興の兆しが見えるカンボジアで、

今もって貧困と戦う人々、

声なき声をここに書き記すことで、

先進国で快適に生きる私に、

「無為に生きてはいけない」


と、戒めるために・・・・


カンボジアの現在 〜搾取される少女〜

カンボジアの女性は私好みの美しさがある。

「野性味」を感じるのだ。

すっと伸びる背筋

長い手足

ストレートの黒髪

黒目がちの瞳

浅黒い肌

贅肉の無い顔と体

ネイにもその美しさを感じた


ネイは12歳

プノンペンからシュリムリープに向かう船で出会った。

この船が外国人向けであるのはすぐにわかる

片道25ドル。

カンボジアの公務員の平均月収20ドルと聞く。

1日1ドル以下で生きるひとが 35%超える国なのだ。

25ドルといえば、大金だろう。

ネイは裸足で、

1本1ドルのコーラ、

1本3ドルのアサヒのスーパードライを

船の中の席だけではなく、

甲板でくつろぐ人々に、

大きなバケツをもって売り歩いていた。


どうしてだろうか・・・

彼女と初めのきっかけは思い出せない。

前日「ハローマフィア」が居る島に行ったせいだと思う。

NGOの団体の自転車ツアーでこの島に出向いた。

その際に、たくさんの子供たちが、

私たちの姿が見えなくなるまで

「ハロー!ハロー!」と叫び続けてくれたのだ。

その時の天真爛漫なカンボジアの子供の子供らしい笑顔を見たいと思い、

きっと私は「ハロー」とネイに笑いかけたのだと思う。

それがきっかけとなり、

私と彼女は笑顔ゲームが始まった。

彼女と目が合えば、私が笑顔になる。

ネイも笑う・・・

でもその笑いが、

あの島でであった子供たちのようなものではなく、

どこか瞳の奥に陰りがあり、

心が痛んだ・・・・


最初のうち、飲み物の売上は好調で、

なんどもバケツの中身を

ブルーのシャツを着たおじさんが追加し、

彼女は船中の船頭、船尾を巡り、

さらに、そのおじさんの手を借り、

子供の歩幅では広くて、

ともすると、川に転落してしまいそうな

船中と船外を渡す通路を渡り、

甲板の前方と後方を売り歩く。

声を出すわけではなく、

客の顔を見て回る。

そのけなげな姿が、

今も瞼から離れない。

何周かすると、

需要はひとまず行き渡ったようで、

彼女は私の目の前に見える

座席の裏の一段高くなった小さな隙間に腰掛けた。


隣にしゃがみこみ、英語で声をかけてみた。

プノンペンの子供は英語が通じることが多かったが、

彼女にはほとんど通じない。

でも、私は抑えきれず、

一つの質問をした。

今思うと彼女を傷つけてしまったかもしれない・・・

「(ブルーの服を着たおじさんを指差し)お父さんなの?」と。

彼女はにらみつけるようなまなざしで頭を振った。


そうすると、その男性が現れ、

飲み物がいっぱい入ったバケツを彼女に手渡した。

そして彼女はまた売りに回った。


日本人のセンチメンタリズムなのだろうか、

日本の放浪大学生と私は彼女を不憫に思い、

ネイが一息ついたところに、

お菓子を渡した。

戸惑う彼女・・

それをみて私が、

自分も一つ開けて食べて見せた。

それを見て彼女も手をつけた。


そしてまた売りに出かける。

ついつい目で追ってしまい、

売れるたびに、

私の方が、よかった!と飛び上がりたくなる。


というのは、

このように大人に指令をされて

仕事をしている子供の場合、

売上が不調だと、

後で大人から折檻される恐れがあるときいたからだ。

次に彼女が休憩し、

私が隣に腰掛けると、

お客さんからもらったのであろう

オレンジを半分に割り、

私に渡してくれたのだ。

(二代目 涙)

二人で大切に1房を食べる。

彼女の方が小さい方を選んだのを見て、

さらに私はいじらしく思い、

房の袋についた白いものを取り除き、

(私は小さい頃これを大人にしてもらうのを「美味しいの形」と呼んで、喜んでいたので。

これをしてもらえることが愛情のしるしだと示したかったのです)

彼女の口に運んであげる。

今度は彼女が小さな指で、

白いものを取り除いて、

私の口元に一房運んでくれる。

子供好きの専務(叔父)がいった言葉がよぎる

「子供は本能で自分を愛してくれる人が分かるんだよ」と。

思いは通じたのだ・・・

今回は長くあのブルーのシャツの大人が来ないため、

私はもっていた紙を破り、

折り鶴を作ってみた。

そして一緒にやろうと

彼女に一枚手渡すと、

彼女は一生懸命、折り方をまねし、

作り上げた。

無駄にニコニコするようなことのない彼女、

真剣そのもので折りあげ、

ついに本当に天真爛漫な笑顔をみせてくれた。

私も嬉しく。

また一枚。

今度は別のものを折って、

まずは見せようと思っていると、

彼女は私のノートをひっぱり、

自分用に引きちぎった。


この気の強さ!

この行動は私をますます喜ばせた。

「彼女は育つ人間だ!」と。


そしてまた、

彼女はあの男性に促され、

販売に出かける。

このやり取りが何回か続いた。

休憩のとき、

私が甲板に出ようと、

手を引を張ると、

彼女は

すごい勢いで

首を振り、手を振り解いた。

私はすぐに理解できた。

「休憩で甲板に出ると、

あの大人に怒られるのだろう・・・」

と。



休憩中、私が唯一持っていた写真つきの本、

カンボジアのガイドブックを見せてみた。

アンコールワットの写真などのっているので、


何かコミュニケーションにつながればと思ったのだ。

彼女は一枚づつめくり、

そして英語が分かるものはそれを指差して、

私に言ってくれるのだ。

「Fish!」

「Banana!」


でも・・・一番大きな声を上げたのが

「Money!」


「お金!」なのだ・・・

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

船がいよいよ到着地に着く。

私は心が痛む。

本当はこのまま彼女を引き取りたいと思ったほどだった。

でも、私はまだその責任を負えるほどの器ではない・・・

でも、私がアクションを起こさなければ、

少なくともネイは帰路で、また仕事をさせられるのだ。





販売の声がかからない彼女と私はずっと手をつないでいた。

言葉が通じないので、

何も話すことができないが、

私が気遣っていることを分かってもらえたら嬉しいと思い、

抱き寄せた。


ふと見れば、彼女の足元にはまだ飲み物の入ったバケツ・・・


下船間際、中にあった飲み物全てを

声をかけてくれた韓国の男性とで買い取った。

彼はボソッといった

「うちの娘と、同い年なんだよ・・・」


彼も同じこと心で思っていたのかもしれない。

「私たちが彼女に今できる最大限のことは、

彼女を先進国の人たちの渇きを癒す

この重たい飲み物たちを消し去ること」だと・・・



そして、私はネイの手を離し、

船を降りた。


(カンボジアの悲しい側面を続けて書きましたが、

子供の就学率も徐々に上がってり、

復興の兆しが見られていることも付記します)

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