ある着物雑誌の編集長さんが3年前
「着物というと、お茶や歌舞伎と言われるのが嫌!」とおっしゃっていた。
その当時はまだ自分の考えがなかった私
「そのとおり、そのとおり」とうなずいていた。(←長いものに一応巻かれてみた)
しかし!
食わず嫌いはいかんな〜と思い、
いずれの会にもその後お邪魔させていただいた。
そして・・・
「
これは見るべきものだ!」
それに「着物姿に似合う雰囲気がある!」と、
いとも簡単に「着物で歌舞伎・能・文楽に着物で行ってみてください」と最近は皆さんにお勧めをさせていただいております。
でも、日本の伝統芸能は、古臭くって・・・
と、腰が重いという方に、この今日のブログが何らかきっかけになればと思い、がんばって書いてみました
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まずは一番、キャッチーと思われる歌舞伎から・・・
銀座 歌舞伎座 2月16日(月)
2月公演、名女形の玉三郎さんの娘道成寺を一度見てみたいと、お手ごろの席を予約。
娘道成寺は踊りの舞台なのですが、私の最も楽しみは、衣裳の早変わり!
私の記憶が正しければ、以下のように3回の衣裳替えが
1.黒地に桜模様
↓
2.赤字に金の刺繍
↓
3.黄色と紫のグラデーション
↓
4.白地に墨濃淡の模様
まったく違う色が、瞬きをするほどの瞬間で、目に飛び込んでくる。
これを見るだけでも、見に来たかいがある!と私は感じるのですが。どうでしょうかね?いわゆるマジック!?
そして「この黄色と紫のコーディネート頂き!」と今後の勉強にも!
「WEB歌舞伎美人」衣裳の早変わりついて
http://www.kabuki-bito.jp/special/tepco/28/index.html
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その2 文楽
東京国立劇場 2月14日(土)
「何この帯!すごい素敵!」と、
文楽ファン方がとあるパーティでお声をかけてくださいました。
そして、この帯の姉妹をご購入くださり・・・
しからばご一緒にこの文楽の帯を締めまして、文楽へ。
1度一人でお邪魔をしたこともあり、実は文楽って泣けて、気分解消になるなあと思っていた私。
でも今回はスペシャルなご好意に預かることに!!
なんと楽屋に訪問させていただきました。
そしてかしらを触ってしまった。人形使いさんとご一緒に。
さらにさらに、その後大夫さんとご一緒にお食事まで
英大夫さんと。 正直に一言、「口の悪い、大阪人!」です。
楽屋ではお若い方が多く、どたばたと走り回り、
また英大夫さんの気さくな性格、
さらには、人間国宝の大夫さんが普通に舞台が終わるとその辺でたたずんでいらっしゃるのを見るに、
文楽って、こんなにさばけけていいの?
多分ね、人形自体に注目が集まるから、みんな肩肘はってないんじゃないのかな?
そこが彼らをかっこよく見せるのでは?「何様?」と思われるような人間になっちゃあいけないな〜と。勉強をさせていただきました
英大夫さん、落語とのコラボレーションの会が今月ありますので、気さくさの真偽を確かめたい方はどうかご参加を。
3/14東京「義太夫と上方落語の会」
http://hanabusadayu.com/
*ちなみに文楽通の方からご指摘をいただき、
文楽は「文楽を観にいく」ではなく、
「文楽を聴く」というそうだそうです。
でも、私はまだ視覚で楽しむ人間のため、
やはり「人形」を見ちゃってるんですよね〜
まだまだですな。
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次は難関のお能!
国立能楽堂 2月26日(木)
「間に合います?」とタクシーの運転手さんに急いでもらっていら、
車酔いに・・・
だめだ、急いでお能にいって、しかも気分が悪くちゃ、あの気迫にやられる。
車を降り、1幕目を断念。
そう、お能は、もっとも精神統一が必要。
理由は、私にとっては、楽しむものではなく、鬼気迫るものを感じて、気合を入れてもらうものだから。
ともかく、一番見てみたかった「羽衣」が見られたらいいやと、二幕目から見ることとして、気分をゆったり構え、雨の国立能楽堂へ。
「羽衣」、、、これを見ようときっかけを作ってくださったのが、
宝生流の若手さんたち。
羽衣の天女の衣裳が試着できる会がありました。
衣裳も記号のように意味があり、この衣裳もわかってないと、お能の物語として読み取るのは難しい・・・
上半身のキラキラ光る衣裳は、意味としては「裸」なんだそうです
つまり、天女は羽衣をとられて、バスローブで下半身だけを隠している状況なのです。
そして何でも質問会。
この中央でお話をされている高橋 憲正さんという能楽士さん、2代目となんと同い年!
伺えば、お能の家にうまれ、3歳から能舞台に。
えらい・・・私は選んでこの道に入ったが、高橋さんは家を継ぐという人生しかなかったのだなあ、と感慨深くて・・・
その高橋さんをはじめ、宝生流の若きお家元!(23歳)
羽衣を演じられます 4月24日
http://www.hosho-wanokai.com/performance/
よければぜひ”着物”で行ってみてらしてください。
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結論
つまり、私はこの3つとも、
あまり物語性を追っていないのです。
そのそれぞれが何百年の年月、追い求めた世界観。
人間は残念ながら生きられても100年。たった100年でで何が見つけられるだろう?
でも伝統文化は、その長年の月日と、多くの人の考えが凝縮され、そして租借され、受け継がれている。
大いなる歴史を持った文化の一端を見せて頂き、自分なりに感じる。
それが人生の肥やしなり、日常に潤いを与えてくれるのでは?
伝統的・普遍的な価値観が崩れた現代社会でも、
通用する大きなメッセージが「歌舞伎」にも「お能」にも「文楽」にもあると私は感じています。
そして、それは歴史の長さ&携わった人の多さ&その方々の意識の高さが理由かと・・・
(メッセージをどうとるかは本人次第なので、あえて知識が浅い私の具体例をあげさせていただくのは恥ずかしいので、控えます(><))
まあ、あまりロジックなことばかりはやめっておいて!
最後にいえるのは、
歌舞伎も、能も、文楽も
女性ではない人が女性を演じる (一部女性の場合もありますが)
それなのに、女性以上に女性らしく見られるのは、
「着物」という肌をほとんど覆う衣裳が手助けをしていることは間違いがありません。
だから着物で見に行くのは道理を得ているのでは?
本物の女性よ、着物を着て、お能へ、歌舞伎へ、文楽へ行きましょう〜
と、最後までオチもないまま、今回のブログは終了〜