早稲田大学で着物の研究会を開くチャンスをいただきました。
どんな方でも無料でご参加をいただけます。お若い学生さんたちのお考えにも触れていただければ幸いです。
海外の学生さんにもお声賭け中なので、よければぜひ御着物で。
またせっかくならどうぞ大学も遊んでいってください。
早稲田は無料のディズニーランドです!
早稲田の遊び方:
http://2daime.kimono-sakaeya.com/?eid=1049706
世界で活躍する!
着物文化研究
日本の伝統文化の着物を一体どれだけ私たちは知っているでしょうか?そしてその着物を支える職人さんたちが、現代の社会構造の中でどのような状況におかれているということを。文化とは「国民精神が透かして見られる一種透明な結晶体」by三島由紀夫
私たちはこの三島の考えに賛同し、アクションすることで、真に世界で認られる日本人となれると信じ、今回の会を開くことにしました。ぜひ一緒に問題を共有させてください
大隈塾文化部着物研究会チーム一同
*大隈塾について:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%9A%88%E5%A1%BE
現代の名工の根橋さんにインタビュー中
日時 2010年1月25日(月) 15時半〜18時
場所 学生会館406・407号室
http://www.waseda.jp/jp/campus/toyama.html
30号館と書かれているところです。戸山キャンパスの正門を直進して、左。(戸山キャンパスとは繋がっていません)
予約不要・途中入場退出歓迎
使用言語 英・フランス・ドイツ語
外国のお友達をお誘いあわせの上、ぜひご参加下さい
概要
15:30 ウェルカム三味線 挨拶
15:40 外国人からの視点 ドイツ人研究者
15:45 消え行く伝統技法
型紙彫り 文久小紋着物 紅型
(大隈塾塾生 大島佳織 喜屋武悠生 峰松加奈)
16:45 実物を触りながら学ぶ基礎着物講座
成り立ちからTPO、着付け概略まで
(呉服屋二代目・裏千家助講師 越智香保利 )
17:45 三味線演奏 喜屋武悠生
女性の型彫り職人さんにも質問をさせていただきました。
簡単なお抹茶とお菓子をご用意してお待ちしております。
紅型の研究の一部 (当日はより内容を深くしております)
紅型について
沖縄県の重要文化財にも指定されている琉球紅型は、友禅染や江戸小紋と並び称せられる、沖縄県唯一の伝統的染物だ。14〜15世紀ごろの琉球王国時代に、インドやジャワの更紗の染色技法、中国(明)の型紙の技法、日本の友禅などの影響を受け、沖縄の独特の気候風土のもとで生まれたといわれている。沖縄では紅型の「びん(紅)」は「色」を指し、「かた(型)」は「模様」を意味する。紅型は、琉球王朝の華麗さや、優雅さを象徴する染物であり、当時は、琉球王朝の王族や高官・婦人などの高貴な身分の人々の衣装や、宮廷舞踊衣装などの用途として製造されていた。庶民とはかけ離れたものとして華麗な美を誇り展開していったのだ。その頃は、身分によって図柄や色が区別され、王家の衣装は黄色、貴族は水色、一般庶民には祝い着としてのみ許されていた。
紅型の他の伝統的染色物(京友禅、江戸小紋など)との違いは、色に顔料を使用し、型彫りには突き彫りを採用しているところだ。また、紅型の柄の特徴としては、沖縄の高温多湿の気候と同じで、あまり季節感がない、ということがあげられる。実は、沖縄の風物が取り上げられると同時に、雪やぼたん、桜、鶴など、沖縄に存在しない柄も多く用いられている。琉球が薩摩に支配されていた頃の影響や、本土と中国との交流の影響だ。
紅型は、丁寧にひとつひとつ細かな型を彫り、白生地に糊置きをし、顔料を用いて色を挿していく。そのあとに、筆で色を挿して、刷毛でこすってぼかし染めのようにし、水で糊を洗い流す。各工程に何人もの職人さんが携わり、力を注いで丹精込めて仕上げていく。
琉球王朝時代より、その伝統の技が引き継がれてきた紅型。絵師が図案を描き、彫り師が型紙を彫り、それを紅型三宗家と言われる「城間家」「知念家」「沢岻家」を中心とした染め師が完成させるという形態で匠の技が守られてきた。知念貞男さんはその紅型三宗家の知念家の作家だ。戦後、知念家の紅型を復興させた叔父の知念績弘氏に師事し、現在では日本工芸会正会員として内地の作家以上の評価を得ている。
印象に残った話
知念さんのお話を聞いていて印象に残った話が二つあった。一つは、伝統も常に変化し続けているということ。今は、こうして紅型の魅力が全国に広まったことで、お客さんの要望を作品に取り入れることも多くなったそうだ。その際、気をつけているのが、紅型本来の魅力を損なわないようにすることだ。伝統的な色使いをしっかり守りつつも、新しい色使いもどんどん取り入れる。そしてそれがまた新たな伝統になっていく。そういった柔軟な発想があるからこそ、知念さんの作品は全国の多くの人たちに愛されているのだろう。
もう一つは「沖縄の海や空、花を見ていれば自然と美しい色が出てくる」というお話だ。琉球紅型には黄色や赤、水色などの鮮やかな色がよく使われるが、知念さんの話によると、ある職人さんが沖縄に住んでいたときには出せた色が、沖縄を離れたとたんに出せなくなってしまったそうだ。それを聞いて、普段何気なく触れている沖縄の海や空などの美しい自然の風景が、自分でも意識しないところで作品に深く影響を与えているということを強く感じた。
最後に
今回のきもの展示会を通して日本の、そして地元沖縄の持つ伝統と文化の奥深さを感じることができた。お忙しい中、親切に接してくださった竺仙の方々、私の質問に対して真摯に答えてくださった知念さんにこの場を借りて感謝の気持ちを伝えたい。貴重な経験をさせていただいて本当にありがとうございました。
早稲田大学文化構想学部2年 喜屋武悠生
贅沢ですがこの知念ご夫妻と、私は知念さんの御着物で記念撮影。この着物で私は着物への考えが大きく変わりました。