8月26日(火)、月に1度の銀座「
ティサネリア」でトークセッションにて、
「消えゆく着物の伝統技法」の私なりにまとめたものを発表させていただきました。
(最初に青井店長によるハーブの勉強会があり、その後私の話に続きます。)
こちらの二代目日記の「籠染め」ブログでご反響をいただきましたので、
「今回はそのまとめになれば」と願いを込め、会のレジュメに補足をしつつ、発表させていただきたいと思います。
ご意見いただければ幸いです。
(このような美味しいハーブティーとハーブを使ったスイーツもいただけ、会費は2100円!)
ティサネイア8月特別講座レジュメより
消えゆく着物の伝統技法
さかえ屋呉服店
二代目 越智 香保利
0. 今回の題へ至った背景
浴衣の伝統技法「籠染め」消滅危機
FNNニュースこちらをご覧ください
1. 日本の伝統技法
成り立ち
(1) 自然順応の暮らし
(2) ひとつの技術を実り完成させる、長い継続的作業
(3) 異文化の取捨選択の自由
・・・>伝統技法が豊かになる土壌や歴史が日本にはあった。
経済産業省「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」
「伝統的工芸品」
(1) 主として日常生活で使われるもの
(2) 製造過程の主要部分が手作り
(3) 伝統的技術または技法によって製造
(4) 伝統的に使用されてきた原材料
(5)
一定の地域で産地を形成 文部科学省「重要無形文化財の指定並びに保持者及び保持団体の認定の基準」
「工芸技術関係」 染織
(1) 芸術上
特に価値の高いもの
(2) 工芸史上特に重要な地位を占めるもの
(3) 芸術上価値が高く、又は工芸史上重要な地位を占め、かつ、地方的特色が顕著なもの
・・・>いずれも国指定の基準であるが、どちらにも籠染め」当てはまらない。またこういったハザマの伝統工芸品が意外と多い。(添付資料として「日本染織地図」朝日新聞社 昭和60年刊 を配布し、お話をさせていただきました。)
また、地方でも認定をされても実際に機能が果たされてないことも多く、京都などは熱心だが、埼玉は・・・
2. 消えゆく着物の伝統技法
「
需要が少なくなっている伝統工芸品の典型的な例として、着物があげられます。現代の日本人の中で、ふだんの生活で着物を着ている人はどれぐらいいるでしょうか。洋服の生活になれてしまったほとんどの日本人にとって、着物は特別な日だけ着る晴れ着となってしまいました。伝統工芸の織物が染色品は、おもに着物の生地や帯を生産しているわけですから、着物の需要が低下すれば、織物や染色品の産地は生産を縮小しなければなりません」(出展:「伝統工芸」ポプラ社)
3. 伝統技法を残すためには・・・
(1) 近代化(西洋化)の検証
(2) 自然保護
(3)
伝統・芸術文化を享受する能力を高める その他、お考えを伺いたいです。
・・・>私の結論としては(3)の「教育」について早急な対策です。
また政府が一度税金を集め、文化貢献に使っていくのではなく、
メセナ活動をおこなう企業により優遇税率を与え、メセナの活動がより活発になっていたほうが、役立たない博物館をつくるよりも、何倍もいいかとも最後に付記したいと思います。
この会は私の独断の場ではなく、ご参加いただく皆さんのご意見を交流し、新たな着物文化を生み出す場になって欲しい・・・そいう思いでおこなっておりますので、発表後は皆さんから活発なご意見を頂戴いたしました。
今回の会は9名のご参加をいただきました。ぜひもっと多くの方のご意見を頂戴できればと思っております。
次回は9月12日(金)13時半〜
銀座ティサネリアにて
「職人の世界」と題し、着付けの要!“組み紐”職人さんをお迎えし、開催予定です。皆様のご参加を心からお待ち申し上げております。
たかが紐とあなどるなかれ!その製作手法の数は着物や帯を上回るほどに!
*池上惇さんの著書「文化経済学」を参考に拝読させていただき、かなり影響を受けた講座と今回はなりました。